Case Study

成約事例①

売主様:株式会社パートナー 東井憲一様

会社概要:株式会社パートナー。創業1996年、システム開発会社。全国に支社を構え、500名近いシステムエンジニアを擁し、各業界の顧客に対してシステムの導入・構築・運用・サポートを行う。本社東京都。

売主プロフィール:東井憲一。慶應義塾大学を卒業後、あいおい損害保険に入社。株式会社パートナーに入社後、主にエンジニアの採用や営業を担当し、代表取締役に就任。代表取締役として18年間、経営を行い、同社を業界をけん引する会社に育て上げる。

>ご譲渡(M&A)された会社で社長になられるまでのお話しをしていただけますでしょうか?

大学卒業後、損害保険会社に就職しましたが、ちょうどそこのころ私が大学生の時に父が大手外資系コンピューターメーカーを退職して始めた会社が軌道に乗り始めました。まもなく父に「手伝ってくれないか?」と言われて、24歳の時にパートナーに入社しました。私は主にエンジニアの採用や営業を担当していたのですが、順調に業容拡大していき、30歳の時に代表取締役になりました。そこから48歳でM&Aトータルアドバイザリーの勝部さんの仲介で会社を譲渡するまで父と二人三脚で会社を経営してきました。入社してからITバブルやリーマンショック等、浮き沈みはあったものの、関わっていただいた皆様のお陰で500名近いエンジニアが在籍するシステム開発会社まで成長させることが出来ました。

>会社を経営されていてどのようなご苦労がありましたでしょうか? 

リーマンショックやコロナショックで会社の業績が一時的に落ちてしまうということはありましたが、長期的に見れば会社は常に成長させることが出来ていたので、実はそこまで大したことではなかったです。むしろ、景気が良いときに自分が育ててきた営業が力を付けすぎてしまって独立して仲間を誘うということが一度や二度のことではありませんでした。

こういうことが起こるたびに、会社としても大切なエンジニアを失って売り上げが落ちてしまうのはもちろん、私個人の心情として今まで仲間だと思っていた人たちに裏切られたような居た堪れない気持ちになったのを覚えています。

>ご譲渡(M&A)を考えになられた経緯はどのようなものでしたか?

父の年齢が70代後半に差し掛かり引退を考える時期に来ていたところにコロナショックが来て、ご他聞に漏れずシステム開発業界も一時的に大きな打撃を受けました。そのタイミングで会社を将来どうするかを考え始めました。

もちろん私がそのまま引き継ぐという選択肢もあったのですが、エンジニアという人材を扱うビジネスに携わる中で、自分の性格が社員に対する思い入れが強い過ぎることに気が付きました。私のスタイルだとエンジニアと親密になりすぎてしまうところがあり、エンジニアが退職するたびに寂しさやストレスを感じてしまっていました。

もっとビジネスライクにエンジニアと向き合うことが出来ていれば違っていたかもしれないのですが、これ以上自分の手で会社を大きくしていくことに疑問を持ち始め、大手企業に引き継いでもらった方がエンジニアも幸せじゃないかと思うようになり、「いいお話があれば」くらいの勢いで譲渡(M&A)を考え始めました。

譲渡(M&A)を検討する際に、M&A仲介会社の起用することにした理由と起用する際に何か重視した点はありますか?

過去、当時の子会社を同業に譲渡した経験もありましたので、M&A仲介会社を起用せず譲渡するという選択肢もありました。実際に親交がある会社から直接のオファーを受けることがありましたが、M&Aトータルアドバイザリーの勝部さんが決めてくれた条件と比較するととても話にならないような条件でしたので、具体的に進めることはなかったです。M&A仲介会社などを通さず自分たちで買い手を探すということはリソース的にも限界があると思います。

他にもいくつか大手&A仲介会社から熱心にアプローチを受けたのですが、着手金が掛かることと専任契約であることの拘りが強くて私としては受け入れにくかったです。その点、M&Aトータルアドバイザリーの勝部さんは、完全成功報酬で動いていただき、専任契約でなくても全く問題ないとのことでしたので依頼しやすかったです。

一方でたくさんのM&A仲介会社さんとお付き合いするのも現実的に難しいため、M&Aトータルアドバイザリーの勝部さんと他の大手M&A仲介会社に依頼することになったのですが、大手といっても担当者次第ですし、よりよい条件を引き出してくれることが大切ですので、M&A仲介会社の規模はあまり気にならなかったです。

>当社は完全成功報酬であるとともに、専任契約を無理してお願いすることはありません(もちろん、お客様が当社にだけ任せたいということで結果的に専任契約になることも多いです)。他の点で、他のM&A仲介会社と比較して当社が優れていた点はありますでしょうか?

大きく3つありまして、①話に嘘がなかったこと、②ベストなスキームを提案してもらったこと、③納得のいく条件で決めてくださったことです。

①話に嘘がなかったことについては、他社のM&A仲介会社は、当初いっていた話が後々になってブレしまうことがありました。もちろん、ご依頼した初期段階では見えていない情報もありますので仕方ない面もあるのですが、「あれ?ああ言っていたのにな」と途中で違和感を抱く場面が少なからずありましたが、M&Aトータルアドバイザリーの勝部さんにはそういった違和感なく進めていただけました。

 ②ベストなスキームの提案という点ですが、M&Aトータルアドバイザリーの勝部さんは米国公認会計士資格をお持ちということもあり、会計・税務について非常に高い専門性をお持ちで、どうすれば手取りが最大化できるか創意あるスキームを提案頂き、それを見事にやり切っていただきました。あれだけの短期間であそこまでの提案を行い、完遂することは他のアドバイザーではできないと思います。

 ③最後にこれが一番重要なのですが、やはり魅力的な買い手候補を引き合わせていただき、納得のいく条件を引き出してくれたことです。結局、他のM&A仲介会社とも並行して提案頂いていたのですが、M&Aトータルアドバイザリーの勝部さんにご提案頂いた買い手候補先が最も素晴らしいオファーを出していただきました。同じ条件で買い手候補をお探しいただいているのにこれだけの差が出るということは、M&Aトータルアドバイザリーの勝部さんには会社の魅力を引き出し、より良い条件を引き出すノウハウがあるのだと感じました。

>ご譲渡された後はどのように過ごされていますでしょうか?

ずっと仕事中心の生活でしたので、しばらくゆっくりしようと思っていたのですが、現在は知人に請われて、大手システム開発会社の執行役員として勤務しています。もちろん、これは譲渡契約に抵触しないよう買い手企業様の許可を得ています。

これまでは営業中心のキャリアで自分でもそれが向いていると思っていたのですが、現在は管理本部長として財務管理や金融機関対応等を中心にやっています。もともと理系だったこともあり、数字を扱う今の仕事が非常に合っており、パートナーに居た時とは違った新しい専門性を開拓することができました。

経済的にはM&Aトータルアドバイザリーの勝部さんのおかげで十分満たされたのですが、それでも今の職場で働いている理由は、前職のノウハウを活かして社会に貢献すること、慕っていただいている仲間と共に成長していけることに喜びを感じられることが大きいです。一時は働かず旅行などをして過ごしていた時期もあったのですが、ぜいたくなことに退屈に感じることが多く、やはり働くことで社会と人と関わり、貢献していけることは素晴らしいことだと思っています。

<アドバイザーのコメント>

 安定した経営基盤を持ちながらも、コロナ渦の大変な中で会社の将来を悩みに抜いた上でご決断頂いたケースでした。論点も多く非常にタフな部分もありましたが、東井様のご協力で無事、クローズすることが出来ました。論点が多いこともあり、買主様・売主様のご意向を尊重しつつ、人間関係を築きながら妥協点を探るというまさにビジネスにおける交渉の本質を学ぶことが出来たと自負しております。また、本件M&Aを機に、東井様をはじめ関与していただいた皆様と公私共に親しくさせていただき、M&A仲介という出会いを創造していける仕事の素晴らしさをかみしめております。

M&Aトータルアドバイザリー株式会社 代表取締役 勝部一志

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